2014年12月24日水曜日

世界に広がる神の祝福*クリスマスキャロル*チャールズ・ディケンズ著

おもしろブログ特集
クリスマスキャロル*チャールズ・ディケンズ著


 クリスマスキャロルは、主人公のスクールジーが、過去・現在・未来という三つの精霊との出会いを通して、自分自身を見つめ直し改心して行く物語である。
 クリスマスイブに心を変革された彼は、クリスマスに神の愛と恵みに感謝しながら、人々と愛しあう関係の中で生きて行くことを決心する。

 クリスマスキャロルは、人間が神の愛と恵みに気づき、悔い改め、新しい人生に出発するという
キリスト教の考え方を土台としている。
 イギリスというキリスト教が一般的であった国で、チャールズディケンズは、クリスマスの根底に流れる神の愛の心を、人々の心や感性に訴えつつ分かりやすく書いたのかもしれない。

 近年、クリスマスキャロルは、ディズニーより、マペットのクリスマスキャロル(人形劇を使った優れもの)や、アニメ・クリスマスキャロルが出され、長い間世界中の人々に読み継がれた話が、再び脚光を浴びている。

 マーレー兄弟は死んでいる。
 こんな不思議な言葉で、クリスマスキャロルの物語は始まる…。
 クリスマスイブの夜の事だった。
 主人公のスクールジーの前に、金銭欲に捕らわれたまま死んだマーレー兄弟の幽霊が現れる。
 彼らは獄に繋がれ鎖に縛られている。
「俺たちのようになりたくなければ、悔い改めろ!」そんな言葉を残して彼らは消えて行く。
 その後、スクールジーの前に現れたのが、過去・現在・未来の精霊てある。
 主人公のスクールジーは、過去の精霊によって貧しく孤独だった幼い頃から、お金に重きを置いて行く青年時代を再び体験させられ、過去を振り返る。
 お金に心を捕らわれた青年のスクールジーは、婚約者との破局を招いてしまう。その別れのシーンに悲痛な叫び声をあげるスクールジー…。

 そんな彼の前に今度は現在の精霊が現れる。現在の彼は、金貸しで金持ちだが、どケチで町の嫌われもの。
 冬の寒さの中、貧しい人々が飢え死しないようにと寄付をもらいにきた人達に「死ぬなら死なせておけ」と追い返すスクールジー。
 そんな彼を、現在の精霊は、彼の会社の部下のクラリジット一家の所に連れて行く。
 クラリジットの一家は、スクールジーが給料をケチるので貧しいが、暖かい家庭である。
 感謝しながら、スクールジーの為に神に祈っているクラリジット一家の愛によって、スクールジーは今の自分の生き方を見つめ始める。
 そして、そんな彼のもとに、最後の未来の精霊が現れる。
 自分の死を喜ぶ人々を眺めるスクールジー…。
 
 人生は終わってしまえば、もうやり直すことができない。
 もし、生き方を変えるとしたら、それは生きている間である。そして、それは今かもしれない。
 なぜなら、人はいつ死ぬかわからないからである。今日元気でも明日生きているかの100%の保証など誰にもないのだから。

 主人公のスクールジーは、クリスマスイブの一晩で生き方を変えた。
 自分が金銭欲に捕らわれ、周りの人々に冷たくケチな生き方が、罪深い生き方であることを悟った彼は、神の愛と恵みが何かがわかったのだ。

 クリスマスに、イエスキリストが来られた意味は、人を罪の生き方から解放し、新しい人生を与えるためである。そこに、神の愛と恵みがある。
 そのことに気づき、クリスマスの朝、神に感謝をささげるスクールジー。
 彼は、自分の人生を良きものとする為に、人を愛し大切にすることを選んだ。
そして、神に祝福される人生を歩んだのである。


ともすれば、私たち人間は、普段日常生活の忙しさに追われ、自分の生き方がこれで良いのか、自分自身の人生の意味を考える機会を持てない中にいる。
 クリスマスキャロルは そんな私たちに、自分の人生を見つめ直す良い機会を与えてくれる、そんな作品である。







0 件のコメント:

コメントを投稿