2013年12月25日水曜日

Ⅹ使徒の働き・ユダヤ人へのメッセージ

 ダビデ契約の真の神の御心



 ダビデ契約の継承者は、直接的にはソロモンをさし、神の真の御心としてはダビデの子イエスキリストによって成し遂げられることを現しています。 
 ダビデ契約もアブラハム契約と同じように、ダビデとダビデの子孫であるイエスキリストに告げられたものです。


 【ダビデ契約】
A.ダビデの子は、彼の王国を確立する。
B.神殿を建てる。
C.ダビデの王座は堅く立つ。
D.ダビデの子の家と王国は永遠に続く。



A.イエスキリストは、ご自身の永遠の御国を確立された。
 御国とは、王国、Kingdomのことです。日本語の聖書では、御国・天の御国・王国とか色々な言い方がありますが、英語ではKingdomで一括されています。
“…あなたがたは、私たちの主であり救い主であるイエスキリストの永遠の御国に入る恵みを豊かに加えられるのです。ペテロ1:11
B.イエスキリストは、十字架の御業によって、御自分のからだとしての神殿を建てられました。
イエスは彼らに言われた。「この神殿をこわしてみなさい。わたしは、三日でそれを建てよう。」イエスはご自分のからだの神殿のことを言われたのである。〈ヨハネ2:19-21
 教会とは、聖霊によって建て上げられる、イエス様のからだである。
あなたがたは使徒と預言者という土台の上に建てられており、キリスト・イエスご自身がその礎石です。この方にあって、組み合わされた建物の全体が成長し、主にある聖なる宮となるのであり、このキリストにあって、あなたがたもともに建てられ、御霊によって神の御住まいとなるのです。〈エペソ2:14-22
C.イエスキリストは父なる神の右の座、すなわち王座に着いておられる。
天の御国は、王子のために結婚の披露宴を設けた王にたとえることができます。〈マタイ2:2
 神がイエスは復活させられた時、公に神の長子であり、神のひとり子であることを示されました。
 Kingdomは、王であるイエスが最高主権者であり、イエスを信じる者たちが花嫁であり妻である御国だと表現されています。 また、イエスキリストは、そのからだなる教会のかしら、最高の主権者です。
また、御子はそのからだである教会のかしらです。〈コロサイ1:18
D.イエスキリストは、父の家に場所を備えに行かれ、備えられたなら、また来て、イエスを信じた私たちを御自分のもとに迎えてくださる。
わたしの父の家には、住まいがたくさんあります。もしなかったら、あなたがたに言っておいたでしょう。あなたがたのために、わたしは場所を備えに行くのです。
 わたしが行って、あなたがたに場所を備えたら、また来て、あなたがたをわたしのもとに迎えます。わたしのいる所に、あなたがたをもおらせるためです。〈ヨハネ14:2.3
 ダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそキリストです。


Ⅸ使徒の働き・ユダヤ人へのメッセージ

 ダビデ契約の直接の継承者ソロモン




ソロモン王の即位

 ソロモンが王座に着いた次第は次のようだった。〈列王記1:1-40
 ダビデ王は年を重ねて老人になっていた。 さて、アドニヤが野心をいだき王位を狙って氾濫を起こした。
 預言者ナタンは、その事を知り、ソロモンの母バテ・シェバに助言する。 
「今、あなたのいのちとソロモンのいのちを助けなさい。
 ダビデ王のもとへ行き、『王様。あなたは、このはしために、必ず、あなた子ソロモンが私の跡を継いで王になると誓われたではありませんか。それなのに、なぜ、アドニヤが王となったのですか』と言いなさい。」
 そこで、バテ・シェバはダビデ王の寝室に入って行った。
 彼女はダビデ王に預言者ナタンが告げたとおりに言った。
 その事を聞いて、ダビデは誓って言った。「私のいのちをあらゆる苦難から救い出してくださった主は生きておられる。
 私がイスラエルの神、主にかけて誓ったとおりに、今日、必ずそのとおりにしよう。」
 ダビデ王は、預言者ナタンと祭司ツァドクを呼び寄せ、言った。「私の子ソロモンを雌騾馬に乗せ、彼を連れてギホンの泉に下って行きなさい。
 そして、ソロモンに油を注いで王としなさい。
 ソロモンは、私の王座に着き、彼は私に代わって王となる。
 私は彼をイスラエルとユダの君主に任命した。」
 そこで、彼らはソロモンをダビデ王の雌騾馬に乗せ、彼を連れてギホンの泉へと下って行った。
 その場所で、祭司ツァドクは天幕の中から油を取って来て、ダビデの子ソロモンに油を注いだ。
 そうして彼らが角笛を吹き鳴らすと、イスラエルの民はこぞって『ソロモン王。万歳』と叫んだ。
 イスラエルの民はみな、彼のあとに従って上って来た。民は、笛を吹き鳴らしながら、大いに喜んで歌った。
 その声は、地が裂けるほどであった。
 ソロモンは父ダビデの王座に着き、その王位は確立した。〈列王記2:12

ダビデ契約の継承と主の家の建設へ〈歴代誌28:1-10
 ダビデは、イスラエル各部族のつかさなど、全ての勇士をエルサレムに召集し、そして言った。
「イスラエルの神、主は、私を選び、とこしえにイスラエルを治める王としてくださった。
 ユダ族の中から君たる者を選ばれたからである。私の父の家はユダの家に属している。
 主は私を愛し、全イスラエルを治める王としてくださった。
 主は私の全ての子供の中から、私の子ソロモンを選び、イスラエルを治める主の王座に着けてくださった。」 そして、私にこう仰せられた。
あなたの子ソロモンが、わたしの家とわたしの庭を建てる。
 わたしが彼をわたしの子として選び、わたしが彼の父となるからだ。
 もし、彼が今日のようにわたしの命令と定めを行おうと堅く決心しているなら、わたしは彼の王位をとこしえまでも確立しよう。』 また、イスラエルの神と全会衆の前で、ダビデは言った。
「わが子ソロモンよ。今、心に留めなさい。 主は聖所となる宮を建てさせるため、あなたを選ばれた。勇気を出して実行しなさい。」

 さて、ダビデの子ソロモンは、ますます王権を強固にした。
 彼の神、主は彼と共におられ、彼を並外れて偉大な者とされた。 
 ソロモンは、主がその父ダビデにご自身を現れた所、すなわちエルサレムのモリヤ山上で主の家の建設に取りかかった。
 彼はそのため、エブス人オルナンの打ち場にある、ダビデの指定した所に、場所を定めた。

 ソロモンが主の宮を完成した時、彼はイスラエルの長老たち、及びイスラエルの部族のかしら達をすべてエルサレムに召集した。
 ダビデの町シオンから主の契約の箱を運び上るためであった。

 イスラエルの全会衆は、第七の新月の祭りにソロモン王のもとに集まった。



  ダビデ契約

A.ダビデの子は、彼の王国を確立する。

B.神殿を建てる。

C.ダビデの子の王座は堅く立つ。

D.ダビデの子の家と王国は永遠に続く。



 ダビデ契約の継承者は、直接的にはソロモンをさし、神の真の御心としてはダビデの子イエスキリストによって成し遂げられることを現している。 


Ⅷ使徒の働き・ユダヤ人へのメッセージ

ダビデ契約



 
 神は、永遠の救いの御計画を成し遂げられるための器として、アブラハム、イサク、ヤコブを選ばれ、また、イスラエル十二部族のユダ族の中からダビデを選ばれました。
 神はダビデを、イスラエルの国、イスラエル十二部族全体の王とされました。そして、神はダビデと契約を結ばれました。

アブラハムの子孫・ダビデの子孫・イエス
 救い主イエスは、神がアブラハムと結ばれた契約を通して、また、神がダビデと約束された契約を通して、この世にお生まれになりました。

ダビデ契約

 ダビデ契約は、預言者ナタンを通してダビデに与えられたものですが、その対象、すなわち受け手側の主語が、あなた(ダビデ)と彼(ダビデの子)の双方で書かれ、ダビデ契約もアブラハム契約と同じようにダビデとダビデの子孫であるイエスキリストに告げられたものです。


 【ダビデ契約】
サムエル7:816〉〈|歴代誌17:7-14〉に記されています。あなたの日数が満ち、あなたがあなたの先祖たちとともに眠るとき、わたしは、あなたの身から出る世継ぎの子を、あなたのあとに起こし、彼の王国を確立させる。彼はわたしの名のために一つの家を建て、わたしはその王国の王座をとこしえまでも堅く立てる。7:12.13
 ダビデの子が、主の家(主の宮、神殿)を建て、彼の王国を確立し、神はその王国の王座を永遠に堅く立てられる。
わたしは彼にとって父となり、彼はわたしにとって子となる。7:14
 神はダビデの子にとって父となり、彼は父なる神にとって子となる。
 〈ヘブル人への手紙1:5.6〉に、神は長子であるひとり子イエスにこう言われたと書かれています。
「あなたは、わたしの子。きょう、わたしはあなたを生んだ。」 またさらに「わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。」〈ヘブル1:5
「わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。」は、ダビデ契約の中でダビデの子に約束されている御ことばです。
あなたの家とあなたの王国とは、わたしの前にとこしえまでも続き、あなたの王座はとこしえまでも堅く立つ。7:16
 ダビデの家とダビデの王国はとこしえまでも続き、ダビデの王座は、永遠に堅く立つ。 Kingdomについては、サムエル記ではダビデの王国を思いがちですが、歴代誌では、ダビデの子の王国あるとわかります。
 は歴代史では、こう書かれています。
わたしは彼(ダビデの子)をわたしの家とわたしの王国の中に、とこしえまでも立たせる。彼の王座は、とこしえまでも堅く立つ。歴代誌17:14
 神は、ダビデの子イエスを、父なる神とその王国の中に、永遠に立たせ、彼の王座は、永遠に堅く立つ。
わたしはあなたをすべての敵から守って、安息を与える。
7:11
 信じた者は神の安息に入る


 ダビデ契約も永遠の契約なので、キリストの十字架の死と復活によって成し遂げられるための契約でした。

ダビデの信仰

彼(ダビデ)は預言者でしたから、神が彼の子孫のひとりを彼の王位に着かせると誓って言われたことを知っていたのです。それで後のことを予見して、キリストの復活について『彼はハデスに捨てて置かれず、その肉体は朽ち果てない』と語ったのです。神はこのイエスをよみがえらせました。〈使徒2:30-32 
 ダビデは、神がイエスを死者の中から甦らせたことによって、自分たち聖徒も終わりの日に復活し、朽ちないからだに変えられることを堅く信じました。しかし、朽ちないものが朽ちないものを着、死ぬものが不死を着るとき、「死は勝利にのまれた」としるしされている御言葉が実現します。〈|コリント15:54

イエスキリストの初臨・御降誕 

 これは、聖霊によりイエスを身ごもったマリヤに与えられた神のことばです。
“…あなたはみごもって、男の子を産みます。名をイエスとつけなさい。その子はすぐれた者となり、いと高き方の子と呼ばれます。また、神である主は彼にその父ダビデの王位をお与えになります。彼はとこしえにヤコブの家を治め、その国は終わることがありません。〈ルカ1:33
 この後、マリヤが、エリヤの霊を持つヨセフを身ごもっているエリザベスに挨拶をした時に、マリヤはこのように神を賛美しています。
「我がたましいは主をあがめ、我が霊は、我が救い主なる神をたたえます。
 私たちの父祖たち、アブラハムとその子孫に語られたとおりです。
 世界中の全ての人間の救いは、神の恵みによる永遠の救いの御計画と、その御ことばの約束を時が来れば実現してくださる神の真実にあります。
 その神の約束の御ことばを成就する使命を負って、イエス様は、この世に来てくださったのです。

  

Ⅶ使徒の働き・ユダヤ人へのメッセージ

 King・Of・メサイヤ



 ダビデは、救い主が、自分の子孫として「人」となってこの世に来られ、その方によって、自分たち聖徒に永遠のいのちが与えられ、また、この方によって永遠の王国が確立されることを信じたのです。

 神は、永遠の救いの御計画を成し遂げられるための器として、アブラハム、イサク、ヤコブの子孫である、イスラエル十二部族のユダ族の中から、王ダビデを選ばれました。  イエス様は、このダビデの子として、お生まれになりました。しかし、イエス様はこのように言われています。
「あなたがたは、キリストについて、どう思いますか。彼はだれの子ですか。」彼らはイエスキリスト言った。「ダビデの子です。」イエスは彼らに言われた。「それでは、どうしてダビデは、御霊によって、彼を主と呼び、」『主は私の主に言われた。「わたしがあなたの敵をあなたの足の下に従わせるまでは、わたしの右の座に着いていなさい。」』ダビデがキリストを主と呼んでいるのなら、どうして彼はダビデの子なのでしょう。」
〈マタイ22:42-45
 イエスキリストは、ダビデより先におられた方であり、ダビデの主てす。また、全ての主権はこの方にあります。

『ユダ族から出た獅子。ダビデの根であり、また子孫である方イエスキリスト』
見なさい。ユダ族から出た獅子、ダビデの根が勝利を得たので、その巻き物を開いて、七つの封印を解くことができます。〈黙示録5:5
「わたしはダビデの根、また子孫、輝く明けの明星である」〈黙示録22:16
  
〔根〕の意味として、これらのことが考えられます。

1.ダビデの根というのは、ユダ族から出た獅子、イエスキリストの十字架の死と復活による勝利と、王なるメシアとしての主権を現しています。
「ユダ族」王権、その国の頭であり、統治者の杖を持つ主権者がユダ族から出てくるという預言のことばが与えられた部族。直接的には、ダビデをさし、神の真の御心としては、王なるイエスをさしています。
王権はユダを離れず、統治者の杖はその足の間を離れることはない。ついにはシロが来て、国々の民は彼に従う。〈創世記49:10
 ついにはシロが来ては、王なるメシヤであるイエスキリストが来て、国々の民すなわち、全世界の民をイエス御自身が支配されるということを意味しています。

2.ダビデ契約の元(根)にあるアブラハム契約は、アブラハムとその約束の子孫であるイエスキリストに告げられたものです。
 ところで、約束は、アブラハムとそのひとりの子孫に告げられました。神は「子孫たちに」と言って、多数をさすことはせず、ひとりをさして、「あなたの子孫に」と言っておられます。その方はキリストです。〈ガラテヤ3:16
 アブラハム契約の約束を、アブラハムと共に受けたのは、約束の子孫イエスキリストです。神がアブラハムに与えられた約束の祝福を、イエスはアブラハムと共に神によって相続されました。
 イエスはダビデ契約の元(根)にあるアブラハム契約の約束を、すでに、神によって相続されています。
 
3.イエスキリストは神のひとり子であり、神の長子である方です。
 アブラハム契約、ダビデ契約の元(根)にあるのは、神がエデンの園で約束された最初の永遠の救いの計画であるエデン契約です。 神のひとり子であるイエスは、御自分を低くして、人なって「女の子孫」としてこの世に来てくださり、十字架の死を通して永遠の昔からの契約を全うしてくださいました。
 神はイエスをよみがえらせ、このイエスを君とし、救い主として、ご自分の右に上げられました。神はキリスト・イエスにおいて神の永遠のご計画を成し遂げられたのです。〈エペソ3:11より〉

ダビデ契約より
 〈ヘブル人への手紙1:5.6〉には、神はその長子であるひとり子イエスにこう言われたと書かれています。
「あなたは、わたしの子。きょう、わたしはあなたを生んだ。」 またさらに「わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。」〈ヘブル1:5
「わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。」は、ダビデ契約の中でダビデの子に約束されている御ことばです。
「あなたは、わたしの子。きょう、わたしはあなたを生んだ。」は、長子イエスが復活された時の父なる神の御言葉であると聖書に書かれています。
「しかし、わたしは、わたしの王を立てた。わたしの聖なる山、シオンに。」
「わたしは主の定めについて語ろう。主はわたしに言われた。
あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ。
 わたしに求めよ。わたしは国々をあなたへのゆずりとして与え、地をその果て果てまで、あなたの所有として与える。あなたは鉄の杖で彼らを打ち砕き、焼き物の器のように粉々にする。』」〈詩篇2:9
 神はイエスを死者の中からよみがえらせた時、イエスを最後のアダムとして完成され、また聖なる山シオンの王として立てられました。ですから、パウロがユダヤ人へのメッセージで、ダビデに約束した朽ちない命が今、すでに与えられると言っているのです。
詩篇の第二篇に、『あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ』と書いてあるとおりです。『わたしはダビデに約束した聖なる確かな祝福を、あなたがたに与える』
 ですから、兄弟たち、あなたがたに救いが与えられるのはこの方によく知っておいてください。〈使徒13:33.34


Ⅵ使徒の働き・ユダヤ人へのメッセージ

 続・約束の子イサクの誕生とこの地上のカナンの地




 神は、カナンの地をアブラハムとアブラハムの子孫の所有とされました。
 しかし、この地上では、足の踏み場となるだけのものさえも、相続財産として彼にお与えになりませんでした。
 それでも、子どももなかった彼に対して、この地を彼とその子孫に財産として与えることを約束されたのです。
 また神はアブラハムに割礼に契約をお与えになりました。こうして、彼にイサクが生まれました。彼は八日目にイサクに割礼を施しました。
 それから、イサクにヤコブが生まれ、ヤコブに十二人の族長が生まれました。
 族長たちはヨセフを妬んで、彼をエジプトに売り飛ばしました。 しかし、神はヨセフと共におられ、あらゆる患難から彼を救い出し、エジプト王の前で、恵みと知恵をお与えになったので、ヨセフはエジプトと王の家を治める大臣になりました。
 ところが、エジプト、カナンとの全地に飢饉が起こり、ヤコブと、ヨセフの兄弟たち家族に食物が無くなりました。
 ヤコブはエジプトに穀物があると聞いて、ヨセフの兄弟、族長たちを遣わしました。
 ヨセフは兄弟達に自分のことを打ち明け、ヨセフは人をやって父ヤコブと全親族を呼び寄せました。
 神がアブラハムにお立てになった約束の時が近づくにしたがって、イスラエルの民はエジプトの中に増え広がりました。
 そこで、エジプト王は策略を巡らし、イスラエルの民の幼子が死ぬようにしむけ、またイスラエルの民を奴隷にして苦しめました。 イスラエル人は奴隷の労役にうめき叫びました。
 神は彼らの嘆きを聞かれ、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を思い起こされました。
 そして、モーセに、御使いが、シナイ山の荒野で柴の燃える炎の中に現れました。
 その光景を見たモーセは驚いて、それをよく見ようと近寄ったとき、主の御声が聞こえました。
『わたしはあなたの父祖たちの神、アブラハム、イサク、ヤコブの神である。』
 神はこのモーセを、柴の中で彼に現れた御使いの手によって、支配者また解放者として、イスラエルの人々に、お遣わしになりました。
 モーセが、エジプトから、イスラエル民族を導き出し、エジプトの地で、紅海で、また荒野で不思議なわざとしるしを行いました。 そして、モーセの指導者の権威を引き継いだヨシュア(イェシュア・イエスの意)によって、約束の地カナンに入って行きました。〈by使徒7:2-45

神は約束を果たされ、イスラエルはカナンの地を所有しました。あなたこそ、神である主です。あなたはアブラムを選んでカルデヤ人のウルから連れ出し、彼にアブラハムという名を与えられました。あなたは彼の心が御前に真実なのを見て、カナン人、ヘテ人、エモリ人、ペリシ人、エブス人、ギルガシ人の地を、彼と彼の子孫に与えるとの契約を彼と結び、あなたの約束を果たされました。〈ネヘミヤ9:8~〉
 この地上のカナン全土は、神がアブラハムとその子孫にの所有として与えると契約を結ばれた時から、今現在に至るまで、また、この世界が終わる時まで、イスラエル民族の所有地です。
 
 神の御心は、イスラエルの民をモーセの律法の規定の中に置かれたままにする事ではありません。
 そもそもイスラエルの民は、モーセの律法による行いの民ではなく、「信仰による義人」父アブラハムの子孫なのです。

 主のことばがアブラハムに臨み、アブラハム自身から生まれる跡取りイサクによって、アブラハムの子孫が星のようになると仰せられた時、アブラハムがただ純粋に主を信じたことを、主は義と認めらました。
 この神の約束のことばをアブラハムが信じた時こそが、イスラエル民族の始まりなのです。
 なぜなら、主は、主のことばによって、無いものを有るものとされる方だからです。
信仰によって、私たちは、この世界が神のことばで造られたことを悟り、したがって、見えるものが目に見えるものからできたのではないことを悟るのです。〈ヘブル11:3 神の御心は、アブラハムの子孫であるイスラエル民族が、アブラハムが信じた神、すなわち、「死者を生かし、無いものを有るもののようにお呼びになる方」が、イエスを死者のからよみがえらせたこと、そして、ほふられた神の子羊として十字架で血を流し、罪のの赦しを与えられるイエスキリストこそ、救い主であること信じ、義と認められることです。


Ⅴ使徒の働き・ユダヤ人へのメッセージ

約束の子イサクの誕生と地上のカナンの地



 神がアブラハムに告げられた約束(契約)は、約束の子孫イエスキリストの、十字架の死と復活によって実現され成し遂げられる為の契約と、アブラハム・イサク・ヤコブにより始まったイスラエル民族、また、イスラエルの国に成就する事 との両方の面があります。
 神は、それらの約束をイスラエル民族に成就されていく中で、神御自身がどのようなお方であるのか、又、来たるべきイエスキリストが、どのようなお方であるのか、少しずつ御自身を現されながらイスラエルの歴史を築き上げてこられました。(例、過ぎ越しの子羊、救いの岩など)
 ですから、私たちイエスキリストを信じ救われたクリスチャンが、新約聖書だけでなく旧約聖書をも読んだ時、父なる神やイエス様がどのようなお方なのか、もっと良く理解する事が出来るのです。又、長い間、旧約聖書を信じ、勉強して来たユダヤ人イスラエルの民がイエスキリストを信じ救われ時も、なんら抵抗も矛盾も無しに、新約聖書を読む事が出来るのです。

1)「約束の子イサクの誕生」
「来年の今ごろ、必ずあなたのところに戻って来ます。そのとき、あなたの妻サラには男の子ができている。」〈創世記18:10
 満天の星空のもとで、神がアブラハムに約束された御言葉〈創世記15:4.5〉を、実現される為に、主はアブラハムに現れました。  その時、アブラハムとサラは年を重ねて老人になっており、サラには普通の女にあることがすでに止まっていた。
 男の子ができると言う主の言葉が信じられずに、サラは心の中で笑ったが、「主に不可能なことがあろうか。」と主は言われました。
 主が定めた時になって、アブラハムとサラは男の子を生んみ、そして、その男の子の名をイサク(笑いの意味)と名づけたのです。 神は、人間の常識では及びもつかないような最も不可能な状態な中で、約束の言葉によって、満天の星のように数えきれないイスラエルの民を生み出されたのです。

2)「この地上のカナンの地の約束」
 神がアブラハムに約束された中に、永遠という言葉が含まれていないカナンの地の契約があります。
 アブラハムが自分に子供がないので、「私の家の相続人は、私の家の奴隷のダマスコのエリエゼルが、私の跡取りになるでしょう。」と主に申し上げた時、主のことばがアブラハムに臨み、「その者があなたの跡を継いではならない。ただ、あなた自身から生まれ出て来る者が、あなたの跡を継がなければならない」と仰せられた時の土地の契約です。
 この土地の契約〈創世記15:15-18〉は、アブラハムの約束の子イサク、彼から生まれ出たヤコブ、またヤコブから生まれ出た十二部族、つまりイスラエル民族に対しての契約です。
「わたしは、この地をあなたの所有としてあなたに与えるために、カルデヤ人のウルからあなたを連れ出した主である。」
あなたの子孫は、自分たちのものでない国で寄留者となり、彼らは奴隷とされ、四百年の間、苦しめられよう。そして、四代目の者たちが、ここに戻って来る。
その日、主はアブラムと契約を結んで仰せられた。「わたしはあなたの子孫に、この地を与える。エジプトの川から、あの大川、ユーフラテス川まで〈創15:7-18
 この契約は、アブラハムの四代目の子孫たちが、エジプトの国で寄留者となり、奴隷とされ、四百年間の苦しみの後、この地上のカナンの地に戻って来て所有するという契約でした。 
 神は、アブラハムの子孫のイスラエル民族の安住の地として、この地上のカナンの地を与えることを定められたのです。

永遠の都カナン

 アブラハムが本当に待ち望んだのは、天の故郷、天にあるエルサレムの都でした。
 ですから同じ約束を共にするイサクやヤコブと共に、信仰によって天幕生活をしたのです。
 彼は、堅い基礎の上建てられた都を待ち望んでいたからです。その都を設計し建設されたのは神です。

最後のアダム

 神は、きょうという日を決め、イエスを死者の中からよみがえらせて、最後のアダムとして完成されました。
 それによって、最初の人アダムひとりの罪によって、この世界と人類すべてに入ってしまった罪、死、呪い、神との断絶から私たちを救い、最後のアダムイエスキリストひとりによって、罪の赦し、永遠のいのち、神との和解と平和、また、神のすべての霊的祝福を受けることができる完全な救いの道を、私たち人類の前に開いてくださったのです。
「わたしは主の定めについて語ろう。主はわたしに言われた。『あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ。わたしに求めよ。わたしは国々をあなたへのゆずりとして与え、地をその果て果てまで、あなたの所有として与える』」〈詩篇2:7.8
 エルサレムのゴルゴダで、神がイエスをよみがえらせ『あなたは、わたしの子、きょう、わたしがあなたを生んだ。』と、イエスに言われたその日、神は、この全世界を、ひとりの人イエスキリストの所有とされました。そして、主イエスキリストが、この世界を治めておられます。

新天新地

 神は、救い主イエスを今の世ばかりだはなく、次に来る新天新地においてもとなえられる、全ての名の上におかれました。
 それは、全ての者がひざをかがめて救いイエスを主と告白し礼拝するためです。
 最後のアダムイエスキリストは、私たちを新天新地へと導かれます。



Ⅳ使徒の働き・ユダヤ人へのメッセージ

 約束の子孫イエスキリスト



 アブラハムとイサクは、父なる神とそのひとり子イエスキリストの型です。
信仰によって、アブラハムは、試みられたときイサクをささげました。彼は約束を与えられていましたが、自分のただひとりの子をささげたのです。神はアブラハムに対して、「イサクから出る者があなたの子孫と呼ばれる」と言われたのですが、彼は、神には人を死者の中からよみがえらせることもできる、と考えました。それで彼は、死者の中からイサクを取り戻したのです。これは型です。〈ヘブル11:17-19
 型だという事は、後に、真の主の御心が、行われることを意味しています。
 アブラハムとイサクは、モリヤの山(エルサレム)での出来事を通して、神が全焼のいけにえの羊として神ご自身のひとり子を備えられる時が来る事。
 また、神ご自身のひとり子の血と死によって呪いと滅びから人類が贖い出される事。
 そして、神がそのひとり子を死からよみがえらせることによって罪の赦しと永遠のいのちが人類に与えられる事。
 それにより、自分達が復活し永遠に約束の地に住む日が来る事。 それらのことを啓示され、また信じたのです。

アブラハムはノアの直系
 アブラハムは、ノアの直系の子孫でした。 ノアは、主のために祭壇を築き、祭壇の上で全焼のいけにえをささげ、主は、そのなだめのかおりをかがれたとあります。(最初の全焼のいけにえ)
 また、神はノアに、わたしはあなたがたのいのちのためには、あなたがたの血の値を要求する。〈創世記9:5〉と言われています。
 その事や、大洪水とノアの箱船の話しが代々語り継がれていたかもしれません。
 アブラハムがモリヤの山での神の御心を、理解しやすい環境で育った可能性は高いのではないでしょうか。

 また、アブラハムの体が死んだも同然であり、サラの胎が死んでいる状態の中で、神が約束の子イサクを彼らに与えらたという経験も、神は死人さえもよみがえらせることができるという信仰にアブラハムを至らせた要因だったでしょう。

 なによりも、イエス御自身が、「あなたがたの父アブラハムは、わたしの日を見ることを思って大いに喜びました。」と言われています。〈ヨハネ8:56
真の御心・父なる神とひとり子イエス
神は、キリスト・イエスを、その血による、また信仰による、なだめの供え物として、公にお示しになりました。それは、ご自身の義を現すためです。〈ローマ3:25
 この御言葉によって、神がアブラハム契約の中で言われた子孫が、イエスキリストであることがわかります。 なぜなら、イエスキリストは、実際に、私たち人類の罪のなだめの供えものとして私たちの罪を負い、全焼のいけにえの子羊として、十字架の上で血を流され、ほふられたからです。
 神が子羊キリストイエスを、なだめの供えものとして殺された時、神ご自身が、イエスこそ、神ご自身のひとり子であり、アブラハム契約の中で約束された子孫であることを、公に示されたのです。



Ⅲ使徒の働き・ユダヤ人へのメッセージ

 アブラハム契約



主のことばが彼に臨み、こう仰せられた。「さぁ、天を見上げなさい。星を数えることができるなら、数えなさい。」さらに仰せられた。「あなたの子孫はこのようになる。」彼は、主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。〈創世記15:6

 アブラハムは「信仰による義人」の起源であり、私たちの信仰の父です。
「アブラハムは神を信じた。それが彼の義とみなされた」「わたしは、あなたをあらゆる国の人々の父とした」と書いてあるとおりに、アブラハムは私達すべての者の父なのです。
 すなわち、私たちの主イエスキリストを死者の中からよみがえらせた方を信じる者は、その信仰が義とみなされるのです。
 なぜなら、主イエスは、私たちの罪のために死に渡され、私たちが義と認められるために、よみがえられたからです。
 神は、アブラハムがまだ割礼を受ける前に、律法の影も形も無い時に、あくまでも主と主のことばを信じるアブラハムの、その信仰を義と認められました。
 ですから、アブラハムは、割礼のあるユダヤ人にとっても、無割礼の異邦人にとっても、信仰の父なのです。 
 私たちも、イエスを主と告白し、神はイエスを死者の中からよみがえらせてくださったと心で信じ、義と認められ救われました。
 ただ、神とイエスキリストの恵みによる賜物として、永遠のいのちが与えられ、神の子とされたのです。

 そして私たちも、アブラハムの信仰の足跡に従って、ただ主と、主の御ことばを信じて、喜びと感謝の中で日々歩んで行くようにと、主は願っておられるのです。


〔アブラハム契約の全容〕


 全能の神がアブラハムに現れ彼と契約を結ぶと仰せられてから語り終えられるまでの約束〈創世記17:1-22

①“わたしは、この契約をあなたと結ぶ。あなたは多くの国民の父となる。あなたの名は、もうアブラムと呼んではならない。あなたの名はアブラハムとなる。わたしが、あなたを多くなり国民の父とするからである。わたしは、あなたの子孫をおびただしく増やし、あなたを幾つかの国民とする。あなたから、王たちが出て来よう。〈創世記17:4-6

②“わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に、そしてあなたの後のあなたの子孫との間に、代々にわたる永遠の契約として立てる。17:7
③“…カナンの全土を、あなたとあなたの後のあなたの子孫に永遠の所有として与える。17:8

〔神とアブラハムの家族、サラ、イサクへの約束〕

割礼ついで、神はアブラハムに仰せられた。次のこと(割礼)が、わたしとあなたがたと、またあなたの後のあなたの子孫との永遠の契約〈1710
 イスラエル民族限定
⑤“その名をサライと呼んでではならない。その名はサラとなるからだ。わたしは彼女を祝福しよう彼女は国々の母となり、国々の民の王たちが、彼女から出て来る。17:16

⑥“…神は仰せられた。「あなたの妻サラがあなたに男の子を産むのだ。あなたはその子をイサク(笑いの意)と名づけなさい。わたしは彼とわたしの契約を立て、それを彼の後の子孫のために永遠の契約とする。」〈創世記17:19

⑦“地上のすべての民族はあなたによって祝福される。〈創世記12:3

⑧“あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受けるようになる。〈創世記22:18

約束の子孫イエスキリスト
ところで、約束は、アブラハムとそのひとりの子孫とに告げられました。神は「子孫たちに」と言って、多数をさすことはせず、ひとりをさして、「あなたの子孫に」と言っておられます。その方はキリストです。〈ガラテヤ3:16
 神がアブラハム立てられた契約(約束)は、アブラハムと後のアブラハムの子孫であるイエスキリストと結ばれたものであると、聖書は言っています。
 この契約は、アブラハム契約をお受けになったアブラハムの子孫であるイエスキリストが、この世界に来られた時に成し遂げられるための契約であったのです。
 なぜなら、永遠の契約、永遠の所有という永遠という言葉が含まれているものは、永遠のいのちが与えられなければ成就することが出来ないからです。
 神がアブラハムと立てられた契約の中で、永遠(のいのち)に関わっているものは、神のひとり子なるイエスが、人となってこの世界に来られ、私達人類全ての罪を負われ、十字架の上で血潮を流し死んで復活された、その永遠のいのちが、私達人類に与えられるようになって、初めて成就することが出来たのです。
それは、罪が死によって支配したように、恵みが、私たちの主イエス・キリストにより、義の賜物によって支配し、永遠のいのちを得させるためなのです。


Ⅱ使徒の働き・ユダヤ人へのメッセージ

アブラハムに現れた主 


 アブラハムは、バビロン(現代のイラン)のウルの地で、神の御声を聞いた。
あなたは、あなたの生まれ故郷を出て、わたしが示す地へ行きなさい。そうすれば、わたしはあなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとする。地上の全ての民族は、あなたによって祝福される。〈創世記12:1-3 
 アブラハムは、この後、妻サラと甥のロトを連れて神の示された地、すなわちカナンの地へ向かう。

 満天の星が輝く夜の事であった。神はアブラハムを天幕の外に連れ出して語られた。
「さぁ、天を見上げなさい。星を数えることが出来るなら数えなさい。」
 夜空には、アブラハムが数えることが出来ないほどの星が瞬いていた。
「あなたの子孫はこのようになる。」
 神はそうアブラハムに約束されたのだ。
 子供ができなかったアブラハムとサラにとって、それは素晴らしい祝福だった。

 アブラハムとサラが、カナンの地にあるヘブロンのマムレの樫の木のそばに住んでいる時であった。
 アブラハムが目を上げて見ると、三人の人が彼に向かって立っていた。その人達を見るなり、アブラハムは地にひれ伏して礼をした。それは主という神だったのである。
 そして言った「ご主人。お気に召すなら、どうか、あなたのしもべのところを素通りなさらないでください。少しばかりの食べ物を持ってまいります。」 主は、給仕しているアブラハムとサラをよばれ、そして言われた。「わたしは来年の今頃、定めの時にあなたのところに戻って来る。その時、サラには男の子ができている。」 主が約束された通りにサラは身ごもり、そして神がアブラハムに言われたその時期に、男の子を産んだ。
 アブラハムとサラは、生まれた男の子にイサクと名付けた。それは「笑う」の意味だった。

 この後、神はアブラハムを試練に会わせられた。「あなたの子、ひとり子イサクを連れて、モリヤの地(エルサレム)に行きなさい。そしてわたしが示す一つの山で、全焼のいけにえとしてイサクをわたしにささげなさい。」
 翌朝早く、アブラハムは息子イサクを連れて、神が告げられた場所に出かけて行った。 三日目に、アブラハムが目を見上げると、その場所がはるかかなたに見えた。
 そして、思った私とイサクはあの山に行き、礼拝して戻って来るだ
 アブラハムは、神にはひとり子イサクを復活させることも出来ると考えたのだった。
 ふたりは一緒にエルサレムの山に向かって進んで行った。
 イサクは尋ねた。「お父さん。全焼のいけにえのための羊はどこにあるのですか?」
 アブラハムは答えた。「イサク。神ご自身が全焼のいけにえの羊を備えてくださるのだ。」
 ふたりは神がアブラハムに告げた場所に着き祭壇を築いた。そしてアブラハムは、自分の息子を縛り、祭壇のたきぎの上に置いた。 アブラハムは手を伸ばし、刀を取って自分の子をほふろうとした。
 まさにその時、主の使いはアブラハムを呼び言われたのだ。『あなたの手を、その子に下してはならない。今、わたしは、あなたが神を恐れることがよくわかった。あなたは、自分の子、自分のひとり子さえ惜しまないでわたしにささげた。』 アブラハムが目を上げて見ると、そこには一頭の牡羊がいた。アブラハムは行って、その牡羊を取り、それを自分の子の代わりに全焼のいけにえとしてささげた。
 それから主の使いは、再び天からアブラハムを呼んで言われた。『わたしは自分にかけて誓う。あなたがひとり子を惜しまなかったので、わたしは確かにあなたを祝福し、あなたの子孫を、空の星、海の砂のように増やそう。あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受ける。』
 この一連の出来事は、エルサレムで、神が、御自分のひとり子さえ惜しまないで、私たち人間のために救いの道を開かれることを意味している。
 そして、神がアブラハムに示されたとおり、私たち人間に永遠の命を与えるために、全焼のいけにえとしてイエスキリストは十字架につかれ、死んで復活されたのである。



Ⅰ使徒の働き・ユダヤ人へのメッセージ

イスラエルの救い主イエス 


 聖書の使徒の働き〈13:32-39〉に書いてあるのは、イエスキリストが甦られた後、パウロがユダヤ人に平和の良き知らせをしている場面です。

 イスラエルの神である主は、父祖たちアブラハム・イサク・ヤコブを選び、民がエジプトの地に滞在していた間にこれを強大にし、御腕を高く上げて、モーセによって民をその地から導き出してくださいました。
 そして約40年間荒野を通され、それからカナンの地で7つの民を滅ぼし、その地を相続財産として分配されました。
 それから、イスラエルの民が王を欲しがったので、神政から王政へと切り替わりサウロを与えられました。
 それから彼を退けて、ダビデを立てて王とされました。
 神は、このダビデの子孫から約束に従って、イスラエルに救い主イエスを送られました。
 そして、イエスキリストによって、神は真実を現され、永遠の昔から約束してくださった永遠のいのちの望みに基づく平和の良き知らせをされたのです。 神はイエスキリストの復活によって、父祖たちアブラハム・イサク・ヤコブに対してなされた約束を果たされました。
 神は、ダビデに約束された聖なる確かな祝福においても、イエスキリストの復活によって果たされたのです。
 神はイエスによって罪の赦しを与え、モーセの律法によっては解放されることがなかった全ての点において、救い主イエスを信じる者はみな、この方によって解放されるのです。

 神は救い主イエスによって、永遠の昔から約束されていた永遠の救いの御計画を成し遂げられ、決して変わることがない永遠の愛を現されたのです。 

2013年12月22日日曜日

ソロモン

ソロモン王

ソロモン王の即位

 ソロモンが王座に着いた次第は次のようだった。〈列王記1:1-40
 ダビデ王は年を重ねて老人になっていた。 さて、アドニヤが野心をいだき王位を狙って氾濫を起こした。
 預言者ナタンは、その事を知り、ソロモンの母バテ・シェバに助言する。 
「今、あなたのいのちとソロモンのいのちを助けなさい。
 ダビデ王のもとへ行き、『王様。あなたは、このはしために、必ず、あなた子ソロモンが私の跡を継いで王になると誓われたではありませんか。それなのに、なぜ、アドニヤが王となったのですか』と言いなさい。」
 そこで、バテ・シェバはダビデ王の寝室に入って行った。
 彼女はダビデ王に預言者ナタンが告げたとおりに言った。
 その事を聞いて、ダビデは誓って言った。「私のいのちをあらゆる苦難から救い出してくださった主は生きておられる。
 私がイスラエルの神、主にかけて誓ったとおりに、今日、必ずそのとおりにしよう。」
 ダビデ王は、預言者ナタンと祭司ツァドクを呼び寄せ、言った。「私の子ソロモンを雌騾馬に乗せ、彼を連れてギホンの泉に下って行きなさい。
 そして、ソロモンに油を注いで王としなさい。
 ソロモンは、私の王座に着き、彼は私に代わって王となる。
 私は彼をイスラエルとユダの君主に任命した。」
 そこで、彼らはソロモンをダビデ王の雌騾馬に乗せ、彼を連れてギホンの泉へと下って行った。
 その場所で、祭司ツァドクは天幕の中から油を取って来て、ダビデの子ソロモンに油を注いだ。
 そうして彼らが角笛を吹き鳴らすと、イスラエルの民はこぞって『ソロモン王。万歳』と叫んだ。
 イスラエルの民はみな、彼のあとに従って上って来た。民は、笛を吹き鳴らしながら、大いに喜んで歌った。
 その声は、地が裂けるほどであった。
 ソロモンは父ダビデの王座に着き、その王位は確立した。〈列王記2:12

ダビデ契約の継承と主の家の建設へ〈歴代誌28:1-10
 ダビデは、イスラエル各部族のつかさなど、全ての勇士をエルサレムに召集し、そして言った。
「イスラエルの神、主は、私を選び、とこしえにイスラエルを治める王としてくださった。
 ユダ族の中から君たる者を選ばれたからである。私の父の家はユダの家に属している。
 主は私を愛し、全イスラエルを治める王としてくださった。
 主は私の全ての子供の中から、私の子ソロモンを選び、イスラエルを治める主の王座に着けてくださった。」 そして、私にこう仰せられた。
あなたの子ソロモンが、わたしの家とわたしの庭を建てる。
 わたしが彼をわたしの子として選び、わたしが彼の父となるからだ。
 もし、彼が今日のようにわたしの命令と定めを行おうと堅く決心しているなら、わたしは彼の王位をとこしえまでも確立しよう。』 また、イスラエルの神と全会衆の前で、ダビデは言った。
「わが子ソロモンよ。今、心に留めなさい。 主は聖所となる宮を建てさせるため、あなたを選ばれた。勇気を出して実行しなさい。」

 さて、ダビデの子ソロモンは、ますます王権を強固にした。
 彼の神、主は彼と共におられ、彼を並外れて偉大な者とされた。 
 ソロモンは、主がその父ダビデにご自身を現れた所、すなわちエルサレムのモリヤ山上で主の家の建設に取りかかった。
 彼はそのため、エブス人オルナンの打ち場にある、ダビデの指定した所に、場所を定めた。

 ソロモンが主の宮を完成した時、彼はイスラエルの長老たち、及びイスラエルの部族のかしら達をすべてエルサレムに召集した。
 ダビデの町シオンから主の契約の箱を運び上るためであった。

 イスラエルの全会衆は、第七の新月の祭りにソロモン王のもとに集まった。



  ダビデ契約

A.ダビデの子は、彼の王国を確立する。

B.神殿を建てる。

C.ダビデの子の王座は堅く立つ。

D.ダビデの子の家と王国は永遠に続く。



 ダビデ契約の継承者は、直接的にはソロモンをさし、神の真の御心としてはダビデの子イエスキリストによって成し遂げられることを現している。 




2013年12月19日木曜日

ノアに見る終末の神の御心

ノアに見る終末の神の御心 

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 ノアの名の意味は「慰める」である。

ノアは、全き人であって神と共に歩んだ。

 

 大洪水の後、神はノアに、この地球に住む人間への罪の赦しが、どのようなものであるのかを少しずつ明らかにしていかれた。 

 

1.全焼のいけにえ 

 

2.血による贖い

 

3.永遠の契約 

 滅びから永遠のいのちへと、主イエスは変えられた。

 

 1から3に書いたこれら全ては、イエスキリストの十字架において成し遂げられたものである。

 

終末における神の御心

 終末においては、洪水の後〈イザヤ8:7〉、すなわちノアの日に、神の御心である家族を救われ慰められたように、イスラエルの民を慰められると、聖書は約束する。

 

 洪水の後、主は、イスラエルと永遠の契約を結ばれる。

 すなわち、十字架でほふられた子羊イエスキリストの血による贖いである永遠の契約を結ばれるのである。

「このことは、わたしにとっては、ノアの日のようだ。

 わたしは、ノアの洪水をもう地上に送らないと誓ったが、

 そのように、あなたを怒らず、あなたを責めないとわたしは誓う。

 たとい山々が移り、丘が動いても、わたしの変わらぬ愛はあなたから移らず、

 わたしの平和の契約は動かない」と

 あなたをあわれむ主は仰せられる。〈イザヤ54:9.10

 

 黙示録では、威厳と栄光を現す虹が御座の回りにある御座に、父なる神が座っておられる。

 御座に座っておられる方の右の手から、勝利を得たユダ族から出た獅子、ダビデの根である方が巻物を受け取るのである。

 

残りの者は帰って来る 

 神の裁きに耐えて残り、神のもとに帰って来た者は、霊的に確かな者となりイスラエルの国を形成する核となる。

 新しい契約の民は、聖なる者となり、神はイスラエルの国に、最上の繁栄を与えられる。

 

イサク

イサク 

 
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 イサクの名の意味は「笑う」である。 
 

アブラハムに現れた主


 主がアブラハムに現れ、「あなたの妻サラによって、あなたにひとりの男の子(イサク)を与えよう。」と仰せられた時、アブラハムはひれ伏し、そして、笑った

 アブラハム百歳、サラ不妊の不妊の女、九十人の時であった。

 

サラを顧みられた主


  サラがひとりの男の子を産み、アブラハムがサラに自分に産んだ子をイサクと名づけた時、サラは言った。

神は私を笑われました。聞く者は、みな、私に向かって笑うでしょう。」

 サラの喜びは計り知れない。

 

笑いで満たされる主

 
 〈詩篇126:1-4〉には、こう書かれています。

 終末の時代には、主がシオンの捕らわれ人、すなわちイスラエルの残りの民を救われた時、私たちの口は笑いで満たされ、喜びの叫び声を上げると書いてあるのです。 

主がシオンの捕らわれ人を帰されたとき、

 私たちは夢を見ている者であった。

 そのとき、私たちの口は笑いで満たされた

 そのとき、国々の間で、人々は言った。

 主は彼らのために大いなることをなされ、私たちは喜んだ。

 主がネゲブの流れのゆうに、

 私たちの捕らわれ人を帰らせてください。〈詩篇126:1-4〉 

 

イサクとリベカ

 
 イサクが、アブラハムによってモリヤの山でささげられた頃、アブラハムにリベカが生まれた事が伝えられている。
 
 イサクとリベカが結婚した後、アブラハムは全財産をイサクに与えた。

 そして、アブラハムの死後、神はイサクを祝福された。

 

【イサクへの誓い】

 
主はイサクに現れて仰せられた。

「わたしはあなたと共にいて、あなたを祝福しよう。

 それはわたしが、これらの国々を全て、あなたとあなたの子孫に与えるからだ。

 こうして地のすべての国々はあなたによって祝福される。」〈創世記26:2-4

 

 主はイサクに、インマヌエルの神を示されたのだった。

 インマヌエルとは「神共にいます。」の意味である。

 (イエスの公生涯の宣教は、父なる神がいつも共におられたものであり、聖霊なる神のダイナミックな力によってなされたものだった。そのイエスが今いつも私達と共におられる。)

 そして、アブラハムに誓った祝福の契約を、イサクに果たされることを約束された。

 

 ダビデが、神の契約の箱を天幕の中に安直した時、このように言っている。

覚えよ。主の契約をとこしえに。

 その契約はアブラハムと結んだもの。

 イサクへの誓い 主はヤコブ(イスラエル)のためにそれをおきてとして立て

 イスラエルに対する永遠の契約とされた。〈歴代誌16:15-17

イサクへの神の祝福
 

 神によってイサクは、カナンの地に滞在し、その地に種を蒔いた。

 イサクは、その年に百倍の収穫を見た。主が彼を祝福してくださったからである。

 こうして、この人は富み、ますます栄えて、多くの羊と牛の群れを所有し、非常に裕福になった。


ネゲブの流れのように


 イサクは、カナンの地のネゲブの地、ベテル・シェバに上った。 イサクは、アブラハムの時代に掘った井戸を再び掘った。

 そして、イサクは、そこに湧き水のでる井戸を見つけた。 

 そこで彼は、その井戸をシブア(7・豊かの意味)と呼んだ。 

 それゆえ、その町の名は今日に至るまでベテル・シェバ(7つの井戸・誓いの意味)ていう。 
 

あなたがたは喜びながら

 救いの泉から水を汲む〈イサク12:3

 
 イスラエルにはマイム・マイムという歌がある。イスラエルの民が、救いの井戸からマイム、すなわち水を汲むのである。 

 終末の時、イスラエルの民が、真の湧き水の泉であるイエスキリストから水を見つけるのだ。

 そして、ほふられた子羊として十字架につけられたメシヤであるイエスを仰ぎ見るのである。 

イサクとリベカ


おもしろブログ特集 

  イサクとリベカ

 



 イサクの名の意味は「笑う」である。

 イサクは、アブラハムとサラの子として生まれた。

 イサクの母親サラの亡き後、アブラハムは最年長のしもべエリエゼルに言った。「あなたは私の生まれ故郷に行き、私の息子イサクのために妻を迎えなさい。」


 そこで、アブラハムの僕エリエゼルは、イサクの妻を探しに出かけて行った。

 エリエゼルが、ナホルの町の洋服屋の前を通りかかった時だった。

 エリエゼルが窓越しに見ると、ひとりの非常に美しい女性が居た。

 その名はリベカで、アブラハムの親族で、アブラハムの故郷に住んでいた。

 リベカは、町の洋服屋で働いていた。洋裁をして生計を立てていたのだ。 


 リベカこそ、イサクのために主が定められた女性だと思ったエリエゼルは、リベカの家族に事の次第を話したのだった。

 するとリベカの家族は答えて言った。

「ご覧ください。リベカはあなたの前にいます。どうか連れて行ってください。

 主が言われたとおりに、あなた主人アブラハムのご子息イサクの妻となりますように。」


 そこで彼らは、リベカを、アブラハムのしもべエリエゼルと一緒に送り出した。

 エリエゼルはリベカをらくだに乗せ、イサクのいるイスラエルのカナンの地へと帰って行った。


 イサクは夕暮れ近く、野に散歩に出かけた。彼がふと目を上げ、見ると、らくだが近づいて来た。

 リベカも目を上げ、イサクを見ると、らくだから降り、ベールを取って身をおおった。

 イサクはリベカを見た瞬間、恋に落ちた。そして、夕陽の方へと砂漠の中をゆっくりと歩いて行き、ひとり歌った。

♪The Most Beautiful Sound The Wold In The Singin in  word♪

Rebekah Rebekah Rebekah Rebekah Rebekah,Rebekah


 イサクは、その後、母親サラの天幕にリベカを連れて行き、リベカをめとり、彼女は彼の妻となった。

 イサクはリベカを愛した。

 そして、やはり二人で、この歌を歌った。


Sleep well And When you dream ,Dream of me Tonight♪ 


 何度も言うけどそんな事はメッゲナイト!そんな事は絶対にありません!


 しかし、花婿であるイエスキリストは、高らかに歌ってあなたのことを喜ばれると聖書は言っている。


あなたの神、主は、あなたのただ中におられる。

 救いの勇士だ。

 主は喜びをもってあなたのことを楽しみ、 その愛によって安らぎを与える。

 主は高らかに歌ってあなたのことを喜ばれる。〈ゼパニヤ3:17


 ウエストサイドストーリーでは、トニーの死をマリアが見守ることになった。

 だが、イサクとリベカの愛の物語では、ふたりは永遠のいのちを得て決して死なない。

イサクとリベカの真実の愛の物語は〈創世記24章である。〉


24:1 アブラハムは多くの日を重ね老人になり、主は何事においてもアブラハムに祝福をお与えになっていた。
24:2 アブラハムは家の全財産を任せている年寄りの僕に言った。「手をわたしの腿の間に入れ、
24:3 天の神、地の神である主にかけて誓いなさい。あなたはわたしの息子の嫁をわたしが今住んでいるカナンの娘から取るのではなく、
24:4 わたしの一族のいる故郷へ行って、嫁を息子イサクのために連れて来るように。」
24:5 僕は尋ねた。「もしかすると、その娘がわたしに従ってこの土地へ来たくないと言うかもしれません。その場合には、御子息をあなたの故郷にお連れしてよいでしょうか。」
24:6 アブラハムは答えた。「決して、息子をあちらへ行かせてはならない。
24:7 天の神である主は、わたしを父の家、生まれ故郷から連れ出し、『あなたの子孫にこの土地を与える』と言って、わたしに誓い、約束してくださった。その方がお前の行く手に御使いを遣わして、そこから息子に嫁を連れて来ることができるようにしてくださる。
24:8 もし女がお前に従ってこちらへ来たくないと言うならば、お前は、わたしに対するこの誓いを解かれる。ただわたしの息子をあちらへ行かせることだけはしてはならない。」
24:9 そこで、僕は主人アブラハムの腿の間に手を入れ、このことを彼に誓った。
24:10 僕は主人のらくだの中から十頭を選び、主人から預かった高価な贈り物を多く携え、アラム・ナハライムのナホルの町に向かって出発した。
24:11 女たちが水くみに来る夕方、彼は、らくだを町外れの井戸の傍らに休ませて、
24:12 祈った。「主人アブラハムの神、主よ。どうか、今日、わたしを顧みて、主人アブラハムに慈しみを示してください。
24:13 わたしは今、御覧のように、泉の傍らに立っています。この町に住む人の娘たちが水をくみに来たとき、
24:14 その一人に、『どうか、水がめを傾けて、飲ませてください』と頼んでみます。その娘が、『どうぞ、お飲みください。らくだにも飲ませてあげましょう』と答えれば、彼女こそ、あなたがあなたの僕イサクの嫁としてお決めになったものとさせてください。そのことによってわたしは、あなたが主人に慈しみを示されたのを知るでしょう。」
24:15 僕がまだ祈り終わらないうちに、見よ、リベカが水がめを肩に載せてやって来た。彼女は、アブラハムの兄弟ナホルとその妻ミルカの息子ベトエルの娘で、
24:16 際立って美しく、男を知らない処女であった。彼女が泉に下りて行き、水がめに水を満たして上がって来ると、
24:17 僕は駆け寄り、彼女に向かい合って語りかけた。「水がめの水を少し飲ませてください。」
24:18 すると彼女は、「どうぞ、お飲みください」と答え、すぐに水がめを下ろして手に抱え、彼に飲ませた。
24:19 彼が飲み終わると、彼女は、「らくだにも水をくんで来て、たっぷり飲ませてあげましょう」と言いながら、
24:20 すぐにかめの水を水槽に空け、また水をくみに井戸に走って行った。こうして、彼女はすべてのらくだに水をくんでやった。
24:21 その間、僕は主がこの旅の目的をかなえてくださるかどうかを知ろうとして、黙って彼女を見つめていた。
24:22 らくだが水を飲み終わると、彼は重さ一ベカの金の鼻輪一つと十シェケルの金の腕輪二つを取り出しながら、
24:23 「あなたは、どなたの娘さんですか。教えてください。お父さまの家にはわたしどもが泊めていただける場所があるでしょうか」と尋ねた。
24:24 すると彼女は、「わたしは、ナホルとその妻ミルカの子ベトエルの娘です」と答え、
24:25 更に続けて、「わたしどもの所にはわらも餌もたくさんあります。お泊まりになる場所もございます」と言った。
24:26 彼はひざまずいて主を伏し拝み、
24:27 「主人アブラハムの神、主はたたえられますように。主の慈しみとまことはわたしの主人を離れず、主はわたしの旅路を導き、主人の一族の家にたどりつかせてくださいました」と祈った。
24:28 娘は走って行き、母の家の者に出来事を告げた。
24:29 リベカにはラバンという兄がいたが、ラバンはすぐに町の外れの泉の傍らにいるその人のところへ走った。
24:30 妹が着けている鼻輪と腕輪を見、妹リベカが、「その人がこう言いました」と話しているのを聞いたためである。彼が行ってみると、確かに泉のほとりのらくだのそばにその人が立っていた。
24:31 そこで、ラバンは言った。「おいでください。主に祝福されたお方。なぜ、町の外に立っておられるのですか。わたしが、お泊まりになる部屋もらくだの休む場所も整えました。」
24:32 その人は家に来て、らくだの鞍をはずした。らくだにはわらと餌が与えられ、その人と従者たちには足を洗う水が運ばれた。
24:33 やがて食事が前に並べられたが、その人は言った。「用件をお話しするまでは、食事をいただくわけにはまいりません。」「お話しください」とラバンが答えると、
24:34 その人は語り始めた。「わたしはアブラハムの僕でございます。
24:35 主がわたしの主人を大層祝福され、羊や牛の群れ、金銀、男女の奴隷、らくだやろばなどをお与えになったので、主人は裕福になりました。
24:36 奥様のサラは、年をとっていましたのに、わたしの主人との間に男の子を産みました。その子にわたしの主人は全財産をお譲りになったのです。
24:37 主人はわたしに誓いを立てさせ、『あなたはわたしの息子の嫁を、わたしが今住んでいるカナンの土地の娘から選び取るな。
24:38 わたしの父の家、わたしの親族のところへ行って、息子の嫁を連れて来るように』と命じました。
24:39 わたしが主人に、『もしかすると、相手の女がわたしに従って来たくないと言うかもしれません』と申しますと、
24:40 主人は、『わたしは今まで主の導きに従って歩んできた。主は御使いを遣わしてお前に伴わせ、旅の目的をかなえてくださる。お前は、わたしの親族、父の家から息子のために嫁を連れて来ることができよう。
24:41 そのとき初めて、お前はわたしに対する誓いを解かれる。またもし、わたしの親族のところに行っても、娘をもらえない場合には、お前はこの誓いを解かれる』と言いました。
24:42 こういうわけで、わたしは、今日、泉の傍らにやって来て、祈っておりました。『主人アブラハムの神、主よ。わたしがたどってきたこの旅の目的を、もしあなたが本当にかなえてくださるおつもりなら、
24:43 わたしは今、御覧のように、泉の傍らに立っていますから、どうか、おとめが水をくみにやって来るようになさってください。彼女に、あなたの水がめの水を少し飲ませてください、と頼んでみます。
24:44 どうぞお飲みください、らくだにも水をくんであげましょう、と彼女が答えましたなら、その娘こそ、主が主人の息子のためにお決めになった方であるといたします。』
24:45 わたしがまだ心に言い終わらないうちに、リベカさまが水がめを肩に載せて来られたではありませんか。そして、泉に下りて行き、水をおくみになりました。わたしが、『どうか、水を飲ませてください』と頼みますと、
24:46 リベカさまはすぐに水がめを肩から下ろして、『どうぞお飲みください。らくだにも飲ませてあげましょう』と答えてくださいました。わたしも飲み、らくだも飲ませていただいたのです。
24:47 『あなたは、どなたの娘さんですか』とお尋ねしたところ、『ナホルとミルカの子ベトエルの娘です』と答えられましたので、わたしは鼻輪を鼻に、腕輪を腕に着けて差し上げたのです。
24:48 わたしはひざまずいて主を伏し拝み、主人アブラハムの神、主をほめたたえました。主は、主人の子息のために、ほかならぬ主人の一族のお嬢さまを迎えることができるように、わたしの旅路をまことをもって導いてくださいました。
24:49 あなたがたが、今、わたしの主人に慈しみとまことを示してくださるおつもりならば、そうおっしゃってください。そうでなければ、そうとおっしゃってください。それによって、わたしは進退を決めたいと存じます。」
24:50 ラバンとベトエルは答えた。「このことは主の御意志ですから、わたしどもが善し悪しを申すことはできません。
24:51 リベカはここにおります。どうぞお連れください。主がお決めになったとおり、御主人の御子息の妻になさってください。」
24:52 アブラハムの僕はこの言葉を聞くと、地に伏して主を拝した。
24:53 そして、金銀の装身具や衣装を取り出してリベカに贈り、その兄と母にも高価な品物を贈った。
24:54 僕と従者たちは酒食のもてなしを受け、そこに泊まった。次の朝、皆が起きたとき、僕が、「主人のところへ帰らせてください」と言うと、
24:55 リベカの兄と母は、「娘をもうしばらく、十日ほど、わたしたちの手もとに置いて、それから行かせるようにしたいのです」と頼んだ。
24:56 しかし僕は言った。「わたしを、お引き止めにならないでください。この旅の目的をかなえさせてくださったのは主なのですから。わたしを帰らせてください。主人のところへ参ります。」
24:57 「娘を呼んで、その口から聞いてみましょう」と彼らは言い、
24:58 リベカを呼んで、「お前はこの人と一緒に行きますか」と尋ねた。「はい、参ります」と彼女は答えた。
24:59 彼らは妹であるリベカとその乳母、アブラハムの僕とその従者たちを一緒に出立させることにし、
24:60 リベカを祝福して言った。「わたしたちの妹よ/あなたが幾千万の民となるように。あなたの子孫が敵の門を勝ち取るように。」
24:61 リベカは、侍女たちと共に立ち上がり、らくだに乗り、その人の後ろに従った。僕はリベカを連れて行った。
24:62 イサクはネゲブ地方に住んでいた。そのころ、ベエル・ラハイ・ロイから帰ったところであった。
24:63 夕方暗くなるころ、野原を散策していた。目を上げて眺めると、らくだがやって来るのが見えた。
24:64 リベカも目を上げて眺め、イサクを見た。リベカはらくだから下り、
24:65 「野原を歩いて、わたしたちを迎えに来るあの人は誰ですか」と僕に尋ねた。「あの方がわたしの主人です」と僕が答えると、リベカはベールを取り出してかぶった。
24:66 僕は、自分が成し遂げたことをすべてイサクに報告した。
24:67 イサクは、母サラの天幕に彼女を案内した。彼はリベカを迎えて妻とした。イサクは、リベカを愛して、亡くなった母に代わる慰めを得た。