2014年4月6日日曜日

世界に広がる神の祝福*大草原の小さな家4*ローラ インガルス ワイルダー


おもしろブログ特集
シルバー・レイクの岸辺で*ローラ インガルス ワイルダー


4*シルバーレイクの岸辺で
インガルス一家は、鉄道の工事現場の工夫たちが去ったシルバーレイクのほとりにある測量技師の家で過ごすことになる。
そこには、なんと、冬の食糧も石炭も充分に備えられていた。そこに住みながら会社の備品を預かるだけで、それらを無料で使えるという。
母キャロラインは、「まるで、神の取り計らいによって、神によって備えられたもののように思える。」と言う。それが、インガルス一家の信仰であった。


この物語は、やんちゃなローラが、しっかりしている姉のメアリーの失明という出来事や、また、いつも一緒にいた老犬ジャックの死という出来事を通して、自分がやらなければならないことは、自分ひとりでやり通すという決意をするところから始まる。
ローラが13才の頃の話である。

姉メアリーの目となり、姉と共に生きようとするローラ。
ローラは、優しさと勇気を遺憾なく発揮する。

大きな森の小さな家で、ローラが出会ったドーシアおばさんの勧めで、父チャールズは、鉄道会社の店番と帳簿係の職を得て、ローラたちは西部に行くことになる。

父チャールズが先に西部に旅立ったので、母キャロラインと子供たちだけで、初めての汽車の旅をする。そうして、インガルス一家はプラムクリークの家を出て、シルバーレイクのほとりへと移住するのである。

西部の始まるシルバーレイクのほとりに、冬を過ごせる為の充分な備えがあった。
姉メアリーが猩紅熱によって失明した時には、父チャールズとローラを除く全員が病に侵されたので、父チャールズには医師への支払いの当てもないほどだった。
そんな彼らにとって、父チャールズが職業に着け、その上、石炭も食糧も万全に備えられている、しっかりとした家で冬を越せることは、まさに、愛なる神が備えられたものとしか言いようがない。

楽しい冬の夕べに、父チャールズのバイオリンの音色に合わせて、家族揃って歌う。

「いざ立てよ、神の兵。
使命に燃ゆる勇者、汝。
かたき団結を守りつつ、
行かん自由の旗のもと、
平和、平安勝ち取らん」<恩地三保子訳>

イエスキリストの十字架の十の字、その縦は神と人の平和な関係を表し、横は人と人との平和な関係を表していると言われる。そこには、豊かな心の平安がある。
救い主イエスの十字架のみわざは、私たち人間を死と死の恐れから解放し、自由にするものであった。
神の勇敢な兵士として、十字架の平和と、永遠の命を伝える使命の為に立ち上がろう。とローラたちは歌う。
そして、この時、インガルス一家が歌ったその事は、今や現実のものとなっている。
神は、ローラインガルス ワイルダーを通して、世界中の人々に、神の愛と聖書の御ことばを届け続けているのである。

この日、インガルス一家は、歌ったり踊ったり、笑いながら楽しい時を過ごすことができたのだった。

このシルバーレイクの物語には、ローラが、ひとり立ちとつけたページがある。
すなわち、自分はしっかりしなければならない。と書かれているわけである。
もう、あのやんちゃなローラは見られないのか、と思っていたら、ローラは決して期待を裏切らない。
ちゃんと、月夜の晩に、ローラとキャリーのふたりだけで、凍ったシルバーレイクの氷の上を滑りに行き、光る月影をたどって行って、大きな2匹の狼に出会って帰って来る。
ローラが、家に慌てて帰ってその話をすると、「おまえらしいな!」と、父チャールズ。

次の日、父チャールズが、大きな狼2匹のことにかたをつけに行って、新しい良い土地を見つけて帰って来る。

そして、その年のクリスマスに、家族でささやかな礼拝とお祝いをしたのだった。
父チャールズの陽気なバイオリンの音が、楽しいクリスマスの曲を奏で、それから、讚美歌を家族そろって歌った。

「輝く日は明け、良き日は来たれり。
世界は目覚めぬ、黄金の暁に。
あらゆる国びと集いきたる、神の御山にのぼらんと。
神は教えたもう、神の道を、
その御跡を歩まん、いざもろびと」<恩地三保子訳>

クリスマス・イブ(前夜)の輝く夜は明け、エルサレムのベツレヘムで、イエスキリストの誕生されたクリスマスの日を迎える。
世界は、夜明けの東の空に黄金色に輝く太陽に目を覚まし、あらゆる国の人々が、エルサレムの神の山に礼拝するために集まって来る。
神は、神による救いの道はイエスキリストにあると教えられた。
さぁ、全ての人々よ、そのイエスキリストの御足の跡に従いつつ歩んで行こう。

「あたたかき日光は草に、
朝露はうなだれた花に、
命をよみがえらせん。
瞳あかるく光を見つめ、
秋の日は明けゆく。
されど、優しき言葉、
まことの微笑みこそ、
夏の日にましあたたかく
露にまさりて輝かん。
自然のたくみの優れし技も
この世のすべてにはあらず、
黄金も玉も、心を満たさじ。
されど、神のみもとにぬかずき、
優しき言葉、あたたかき微笑みもて
人みな集う時、ああ、この世は美しきかな!」<恩地三保子訳>

暖かい太陽の光と朝露が、うなだれた草花をよみがえらせるように、イエスキリストも復活の命によって、私たちを新しい命によみがえらせるのである。
どれほど巧みな自然の技も、この世のすべてではない。また、金、銀、宝石も、私たちの心を本当には満たすことはできない。
しかし、愛である神の御もとにひざまずいて、人々が集う時、そこには、謙遜な人々の優しい言葉と温かい微笑みがある。
その時、この世界が心から美しいと思えるのである。

讚美歌を歌い終わる頃、メアリーが、人が来る気配に気づく、そこで、ドアを開けると
ボースト夫妻が訪ねて来ていた。
そして、彼らと一緒に、クリスマスの神への讚美を捧げたのである。

「メリー、メリー・クリスマス!
空から鳴り響く、楽しい歌声。
クリスマスの鐘、クリスマス・ツリー、
その風にのってやって来るクリスマスの香り。

感謝を込めて、喜び歌う、心に溢れるこの幸を。
見よ、栄光の日はのぼる、大地をあかく染めつつ。

迷える者の心を照らす灯、
くじけし者への慰めもて、
主は導きたもう、手をとりて、
永久の平和に、信ずる者を」<恩地三保子訳>

救い主であるイエスキリストは、世の光である。
主イエスは、信じる者の手をとり、永久の平和へと優しく導いてくださる。
主は、この世の人生の旅路を迷う私たちの心を光で照らし、愛で満たしてくださる方なのである。
だから、クリスマスおめでとう!と、私たちは主に感謝し、喜びながらクリスマスをお祝いするのである。

ある日曜の夜、インガルス一家とボースト夫妻が、みんなで安息日の歌を歌っていた。

「我ら良き家に楽しく集い、
喜びの歌、家に満ち溢れるとき、
寂しくひとり住む人の
頬につたう涙を思うことがあろうか?
差しのべよ、我らが手を....」<恩地三保子訳>
突然バイオリンの音が止んだと思うと、外から力づよく歌っている声が聞こえて来た。

「力つき、弱りはてし者に、
差しのべよ、その手を、巡礼の道にある者に」<恩地三保子訳>
すると、オルデン牧師と、若いスチュワート牧師が立っていた。

みんなで夕食を囲んだ後、オルデン牧師と母キャロラインの話があった。

「インガルスさん、メアリーの受けた苦しみを、心から同情いたします。」
「ありがとうございます、オルデンさま」母さんは沈んだ声で言いました。
「時には、神の御心に従うことの辛さを感じます。私たちは、あのプラム・クリークの家で、家じゅうが猩紅熱にかかりまして、しばらくの間は、本当に苦しい日が続きました。けれど、子どもたちが、みなこうして残されたことを、私は感謝しております。メアリーは私にとっては、大きな慰めなのです。オルデンさま。あの子は、ただの一度も、不平がましいことを言ったことがありません。」
「メアリーは、たぐいまれな魂の持ち主で、われわれみんなにとっては、生きた教えなのです。」オルデン牧師は言いました。「神は愛する者をこそ試したもう、ということを忘れてはなりません。そして、勇気ある精神は、あらゆる苦難を、かえって善きこととするということも。」<恩地三保子訳>

オルデン牧師は、盲目者の為の大学があることを話し、その後メアリーと長い間、話込んでいた。

オルデン牧師は、…さわやかな飲み物として、一緒にお祈りの集いをしようと言いました。みんながそれぞれ椅子のそばにひざまずき、オルデン牧師は、みんなの心を、秘めた想いを知りたもう神に、その場に集う者に目を向け、その罪をゆるし、あやまちなく過ごせるよう力をかしたもうよう願いました。
ローラは、自分が、日照りにあえぐ土まみれの草のように、暑くからからに乾いていて、その静けさは、涼しく、優しく降り注ぐ雨のような気がしました。
オルデン牧師の言った通り、それはさわやかな飲み物のようでした。
すがすがしく、力がみなぎって来るのを感じながら、ローラは、もうなんのくったくもなくなり、どんなに辛い仕事も喜んでするし、自分の欲しいもの、自分の希望などすべて捨ててもかまわないという気持ちになっていました。メアリーが大学に行けさえすれば。<恩地三保子訳>

そして、その後寝る前に、ローラは、メアリーに約束したのだった。メアリーが大学に行くために、一生懸命に勉強をして、学校で教えられるようになって、少しでも役に立てるようになることを。

神は、その人自身に合った 出会い方をされる。また、神から人への語られ方も様々である。ローラに合った方法で、神はこの時、ローラの渇いた心を豊かに潤されたのである。

この物語は、ローラが、いずれ人間はひとり立ちしていかなけれならないことに気づいたことに始まる。しかし、この時のローラは、ひとりぼっちのように思うと書いている。
オルデン牧師が神に祈った時、これから先のローラの人生に、いつもイエスキリスト共にいてくれることに、ローラは目を留めることができたのかもしれない。
そして、その事が、ローラを新しい力にみなぎらせ、嫌なことにも立ち向かう勇気に奮い立たせたのかもしれないのだ。

シルバーレイクの町の最初の礼拝
次の日、朝食の後、月曜日の朝ではあったがみんなで礼拝をすることになった。
父チャールズがバイオリンを弾き、みんなで讚美歌を歌い、スチュワート牧師が「皆の尊い努力に、神の導きがあるように」と祈り、その後、オルデン牧師のメッセージがあった。
そしてその後、父チャールズの美しいバイオリンのしらべに合わせて、再び、みんなで賛美をささげたのだった。

「はるかかなた、遠い地に、幸せの国、あるという。
聖者はみな栄光に満ち、日光のごと輝きたもうとか。
ああ、天使の歌声を聞け、主には栄光、王には....」<恩地美保子訳>
その後オルデン牧師は、馬車の支度ができると行ってしまったが、オルデン牧師の言葉は、みんなの心に希望と喜びを残したのだった。

さて、父チャールズは、気に入った土地の払い下げの申請に出かけることになる。
早く行かなければ、誰かに先に取られてしまうかもしれない。
四日目の夕方、父チャールズが帰って来た。気に入った土地が取れたことを話そうとする父チャールズに、待ちきれずにせきたてて話を聞こうとする"おはねちゃん!"
父チャールズは、この頃、ローラをこう呼ぶのを気に入っていたらしい...。

父チャールズは、テネシー生まれのヤマネコ、エドワーズさんの死にものぐるいの助けによって、一番欲しかった土地を手に入れ、インガルス一家はそこに住むことになるのである。

この時、父チャールズの親切心から、土地の払い下げ申請に行く人々に、夕食と朝食を出し泊めることになる。
父チャールズが払い下げ申請に行っている間に、あまりの大変さに、母キャロラインとローラ達は料金を取ることにする。
そのお金は、後にメアリーの盲目者の大学に行く為に、取って置くことになる。
しかし、彼らに出した食糧のほとんどは、もともとは測量技師の家に備えられていたものを、インガルス一家が自由に使って良いことになったものだった。
ここに来て、母キャロラインが「この事は、神の取り計らいによって、神に備えられたものだと思う。」と言った言葉が、再び、生きて来るのである。



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