2014年4月13日日曜日

世界に広がる神の祝福*大草原の小さな家8*ローラ インガルス ワイルダー

おもしろブログ特集

この楽しき日々*ローラ インガルス ワイルダー

8*この楽しき日々
ローラとアルマンゾ、本格的ラブロマンスへと発展!の物語
ローラが15才で学校の先生となり、色々な試練を通る中で、アルマンゾ・ワイルダーとの関係が深まり結ばれて行く。
ローラが18才でアルマンゾと結婚するまでの楽しい日々が描かれている物語

昨日まで学校で生徒だったローラが、明日には学校で先生として教える為に、町から12マイル離れたブリュースター家に下宿することになる。
家からは遠いので、今度ローラが父チャールズに迎えに来てもらえるのは、2ヶ月後だ。
しかし、そこで、ブリュースターの奥さんからとても不愉快な扱いを受けるローラ。
たまらなくホームシックになるローラだが、父チャールズが迎えに来ることを期待しないようにと自分に言い聞かせる。

金曜日の授業中、嵐が始まりそうなので、ローラは学校を早めに切り上げるかどうかを考えていた。
その時だった。風の音に混じって銀の鈴の音が聞こえて来た。
二頭の馬が窓の外を通り過ぎた。それは、プリンスとレディだった。
アルマンゾ・ワイルダーが、プリンスとレディに小型のそりを着けてローラを迎えに来たのだ。
ローラがそりに乗り込むと、銀の鈴の音が楽しげに鳴り出し、まるで翼で飛ぶように速いスピードで家に向けてアルマンゾの馬は走って行った。

その日曜日、友人のアイダ・ブラウンと久しぶりに会ったローラは、笑ってはなるまいとアイダの冗談に体を震わせながら、教会の席に座っていた。

「楽しきかな安息日の学び舎
我は懐かし、屋根丸き
麗しき宮にも勝りて
喜びもて、我が心はいつも
汝になびく、我が懐かしき安息日のふるさと。」
共に歌うということは、話をするよりはるかに良い。二人並んで、一つの讚美歌の本を広げて立った時、アイダって本当に良い人だとローラは思った。
「迷い多き、自己強き心に、
人の世のならわしの、初めて示されしは、ここ、
より良きものを初めて求めしはここ、
しこうして得ぬ、安息日のふるさと。」
確信に満ちた澄んだローラの声が、メロディを歌うと、アイダの柔らかいアルトの声がこれに和して、「安息日のふるさと」と響いた。そしてまた、二人の声が溶け合う。
「喜びもて、我が心はいつも
我になびく、我が懐かしき安息日のふるさと。」....
ローラは、今日の説教の題になっている聖句をしっかりと覚えて、うちに帰ってから、父ちゃんに聞かれても言えるように確かめた。....
彼女は、メアリーのいないことが、教会ではいっそう感じられて、いてくれたらいいのにーと、いつも思うのだった。....
今は、メアリーは大学に入ったし、ローラは学校の先生なのだ。彼女はブリュースターさんの奥さんのことや学校のことは努めて考えないようにした。....ローラは40ドル稼いでいるのだ。40ドルあれば、メアリーは必ず来年も大学にいられる。努力さえすれば、何事もきっとうまくいく。....
みんなは、頌栄歌を歌う為に立っていた。教会は終わった。<ローラ インガルス ワイルダー著*鈴木哲子訳>
ローラは、日曜日の午後を家族みんなで過ごす為に居間でくつろいでいた。
すると、通りの向こうから鈴の音が聞こえて来た。アルマンゾワイルダーだった。
ローラが乗り込むと全部の鈴の音が一斉に音楽をかなで、学校に向かって走り出したのだった。

初めての学校の先生の仕事を無事に終え、辛く苦しいブリュースター家の下宿生活から、やっと解放されたローラは、家に帰ることになる。
アルマンゾとの仲もこれまでかと思っていたローラだったが、日曜日の午後にアルマンゾが再び、プリンスとレディに小型のそりを着けてやって来る。
ローラは、アルマンゾと一緒に小型のそりでのドライブに行きたくなってしまう。
アルマンゾとローラは、ローラの気が変わり一緒にそりに乗っていることで、声を合わせて笑い、そして、軽快なスピードで走るプリンスとレディに着けた小型のそりのドライブを楽しんだのだった。

ローラが久しぶりに学校に生徒として戻った時だった。作文を書く宿題が出ていたことを知ったローラは休み時間のうちに作文をなんとか仕上げることになる。

『大望』
大望とは、物事の成就になくてはならぬものである。一つの目的を達しようとする大望なしには、何事もなされない。他の人々より秀で、己れ自身に優ろうとする大望なしには、高度の価値は存在しないであろう。....
大望とは良き召し使いであるが、これが主人となれば野心となる。私たちが大望を統御している間は、これは善であるが、もし私たちがこれに支配される危険ありとすれば、私はシェイクスピアの言葉を借りて次のようにいうであろう。
「クロムウェルよ、これはわしの命令じゃ、野心を投げ捨てよ。天使でさえ、この罪の為に天国を追われたのじゃ。」<ローラ インガルス ワイルダー著*鈴木哲子訳>

天国を追われた天使とは、堕天使ルシファーのことで、神のようになろうという野心によって、天からこの地上へと突き落とされた。
それがサタンと呼ばれ、聖書の創世記にあるエデンの園での蛇だと言われている。
狡猾な蛇は、神によって禁じられている木の実を食べるようにイブを誘惑する。
木の実を食べてしまったイブが夫アダムにも与え、最初の人アダムが罪を犯してしまうことになった。
その時、蛇がイブについた嘘偽りが、「あなたがたは決してしなない。その木の実を食べると神のようになれる」であった。
それで、真実な神の言われたとおりに、この世界に死が入り、人々は肉体はもちろん死を迎えるが、霊的にも死ぬことになった。
したがって、救い主であるイエスキリストを信じる者は、永遠のいのちを与えられると共に、霊的にも新しく生まれ変わることになる。
私たちが何かを成そうとする時、その目的、心の動機、経緯において、そこに野心が混入していないかどうかの確認が必要となる。
そして、そのいずれかに野心があるならば、私たちはそれを自分で治めなければならない。それが、長い目で見て必ず、成功する鍵であるからだ。

教員二級免許
インガルス家の南の境界線のすぐそばにあるペリーの用地に学校が立つことになる。
父チャールズが学校建設の監督を務め、ローラにその学校で教えて欲しいという話が舞い込む。
ローラは、再び教員免許を取りに行き、好成績で二級免許を取ることに成功する。
ローラは喜びのあまり家に帰る時に、喜び勇んで踊ったり、笑ったり、大声を上げながら帰って行ったと書いている。
家に帰ってその事を報告すると、母キャロライン始め家族は大喜びだった。
そして、父チャールズが、教育委員会がローラに一ヶ月25ドルで3ヶ月雇うことになっていることを発表した時のことである。

グレイスの青い目は、まん丸くなった。そして厳かな畏敬の念を表して言った。
「ローラ姉ちゃんはお金持ちになるね。」
皆は、どっと吹き出して楽しそうに笑ったので、グレイスまで訳のわからないまま一緒に笑わずにはいられなかった。<ローラ インガルス ワイルダー著*鈴木哲子訳>
グレイスの言うことなす事には、笑わずにはいられないものがある。グレイスは良い味をしているな、といつも思ってしまう。グレイスを見ていると、神は私たち一人一人をユニークにまた個性的に造られたのだと思わずにはいられない。
その仕事で得たローラの給料75ドルと父チャールズの25ドルで、メアリーの為にオルガンを買うことになる。ローラにとって、メアリーの為に役に立てることは非常な喜びである。
新しい居間が作られオルガンが来た日のことである。

「見てごらん、ローラ姉ちゃん、見てよう。」と言って、グレイスはその椅子に腰かけてぐるっと回した。この椅子の座席のところはネジ仕掛けになっていて、グレイスが腰かけたまま、くるくる回すと低くなったり高くなったりした。....
「あっ、グレイス!」ちょうどグレイスとオルガンの椅子が一緒に倒れた時に、母ちゃんが大声を上げた。グレイスは、起き上がったが余りにびっくりして声も出せなかった。そして、ローラさえ身の毛がよだつ思いだった。というのは、その椅子が二つに壊れて転がっていたからだ。
その時父ちゃんが笑った。「いいんだ、グレイス、大丈夫。」と彼は言った。「おまえはただ最後までネジを回しちまったのさ。だが、」と彼は厳しい調子で言った。「これからはその椅子のそばに寄るんじゃないよ。」<ローラ インガルス ワイルダー*著鈴木哲子訳>
やっぱりグレイスは期待を裏切らない。やはり笑せてくれるのだ。

この頃には、アルマンゾとローラの日曜日の午後の馬車でのドライブは当たり前のことになって行った。

歌の学校
アルマンゾの誘いで夜は歌の学校に行くことになるが、脱走者の暴れ馬バーナムに馬車を着け通うアルマンゾとローラ。
いつも帰りには、バーナムは退屈していたのか、より暴れ馬になっている。ローラが乗り込んですぐ、アルマンゾを置き去りにしてバーナムが走り出し....
家に帰ると、父チャールズと母キャロラインが起きて心配して待っていた。
「あのワイルダーの暴れ馬夜でも大丈夫かい?」と父チャールズ
父チャールズいわく、生まれつきの馬使いアルマンゾを信頼しながらも心配せずにはいられないローラの両親であった。

歌の学校の最後の夜、ローラたちは、彼らは「みさかえ歌う、あまつみそら」という讚美歌を一つ歌った。

「みさかえうとう、あまつみそら
天地に満つ、神の御わざ
日ごと夜ごとに絶え間なく
明らかなり、その道から
もろもろのことばは語り
もろもろの声に聞く」<ローラ インガルス ワイルダー著*鈴木哲子訳>

天は神の御栄えを歌っている。
天と地には、神の御わざが満ちている。
日ごと夜ごとに、絶え間なく、それは明らかである。
イエスキリストは、神のいのちのことばそのものである。
救い主イエスは、十字架の死と復活という神の御わざによって、永遠の命に至る道を開かれたのである。
そして、主イエスが全世界の私たち人間に語りかけておられるグッドニュース、すなわち福音は全世界に絶えず発信されているのである。

ローラたちが歌った、この「みさかえうとう、あまつみそら」という讚美歌は、聖書<詩編19:1ー6>がモチーフとなっていると思われる。

"天は神の栄光を語り告げ、大空は御手のわざを告げ知らせる。
昼は昼へ、話を伝え、夜は夜へ、知識を示す。....
その呼び声は全地に響き渡り、そのことばは、地の果てまで届いた。"<詩編19:1ー4>

歌の学校が終わった夜、バーナムはおとなしくアルマンゾとローラを待っていた。
ふたりは馬車にのり、星空の中を家路に向かい、ローラは星を眺めながら、さっきの讚美歌を再び歌った。
すると、アルマンゾが『星の光の歌』を歌ってもらいたいとアルマンゾが頼んだのでローラが歌うと、アルマンゾは考え深げに黙っていた。大草原は静寂に包まれ、バーナムの草原を進んで行く足音以外は何もしなかった。

そして、(アルマンゾは)星明かりに白く光っているローラの手を取ると、彼の手を優しく重ねた。彼は、今までこんなことをしたことは一度もなかった。
「君の手って 小さいんだなあ。」と彼は言った。そしてまた沈黙、そして口早に言った。「君は、婚約指輪って好きかなって思ってたんですけどね。」
「それはくれる人によるわ。」とローラは話した。
「僕が上げるって言ったら?」とアルマンゾが聞いた。
「そうなるとその指輪によってよ。」と答えて、ローラは手を引っ込めた。
<ローラ インガルス ワイルダー著*鈴木哲子訳>

次の日曜日に、アルマンゾとローラは、ヘンリー湖まで馬車でドライブし野ブドウを摘み、ヘンリー湖を眺めさざ波の音を聞きながら、彼らは甘酸っぱい実を食べていた。
夕暮れの中、彼らが家に帰る途中、アルマンゾはローラの手を取り婚約指輪をローラの人差し指にはめたのだった。
そして、ローラがその美しい指輪を指にはめたまま家に着くと、父チャールズのバイオリンの音が聞こえ、彼は歌っていた。それは、父チャールズが母キャロラインのために歌う曲だった。
ローラとアルマンゾの初めてのキスの後、アルマンゾは馬車で家に帰って行った。

ローラが部屋に入った時、父ちゃんはバイオリンを下に置いた。彼は、ランプの灯に照らされて光っている指輪のはまっているローラの手を見た。
「なるほど、決まったんだな。」....
「おまえさえ確かならね、ローラ。」と母ちゃんは優しく言った。
「時々ね、おまえが好きなのは、あの馬たちだと思うことがあるよ、馬のご主人さまよりもね。」
「だって、そのどっちかだけ取ることってできないもの。」とローラは、震えそうな声で言った。
すると、母ちゃんはにこにこしてローラを見、父ちゃんは荒々しく咳払いをした。
<ローラ インガルス ワイルダー著*鈴木哲子訳>

ローラとアルマンゾが婚約した年のインガルス家のクリスマス
このクリスマスに印象的なのが、クリスマスの星である。

「大いなる広野の空に隊伍を調え、
まばゆきばかりの星軍が、
夜空を高く飾りし時、
星、ただ一つ、
我が罪多き日を捕らえぬ。
彼の星は、我が光、我が師、我がすべて、
暗きうれいを追い払い、
嵐と危険の綱を解き、平和の港に導く。
今、危険は去りて安らけき
港に憩いて、我は歌う。
夜の冠をいただきて、
永遠に、永遠に、
ああ、彼の星よーベツレヘムの星よ、と。」
<ローラ インガルス ワイルダー著*鈴木哲子訳>

救い主イエスキリストは、ひときわ輝く明けの明星として知られている。
クリスマスに救い主イエスが生まれた時は、非常に星が印象的なのである。
東の博士たちは、東の方で、全世界の王として生まれたユダヤ人の救い主イエスの星を見たので、ユダヤのベツレヘムまで訪ねて行った。イエスを礼拝するためである。
また、救い主イエスが生まれた時、御使いと一緒に多くの天の軍勢が現れて、神を賛美して言った。
「いと高き所に、栄光が、神にあるように。
地の上に、平和が、
御心にかなう人々にあるように。」

明けの明星である金星は、夜明けの星として知られ、夜が白みかけた明け方に、ひときわ強く輝いている。また、明けの明星である金星は、夕暮れの時、これから、夜が来て暗闇が深くなろうとしている時にも、ひときわ明るく輝く星である。
救い主イエスの星である明けの明星は、他の星々を制圧するほどの輝きを持っているのである。それ故、救い主イエスは、星々さえも従える万軍の主としても知られている。
そのように、光そのものであるイエスキリストは、私たちの人生における悩みやうれいという暗い心を追い払い、平安な中に私たちを憩わせてくださる方である。
救い主イエスにあっては、嵐も危険も及ぶことがない。
平和の君であるイエスは、我らを平和の港へと導く方なのである。

この日、町の教会のクリスマスに雪の嵐父で行けなかったインガルス一家は、家でクリスマスを過ごすことになり、クリスマスイブのごちそうを前に、父チャールズはバイオリンと共に歌っていた。
父チャールズはこの時「クリスマスの星」を思い描いていたのかもしれない。
ローラとにとっても、アルマンゾからプロポーズされた日に眺めた星空は印象的だったに違いない。だから、この年のクリスマスに星がメインの曲は、ローラにも嬉しかったんではないだろうか。
そこに、冬をミネソタにいる家族と過ごすために帰っていたアルマンゾが突然訪ねてくる。思いもかけないアルマンゾの訪問に、ローラは嬉しくて信じられないほどだった。
翌日のクリスマスも、招待されたアルマンゾと一緒に過ごすことができたローラにとって、この年のクリスマスも良い驚きに満ちたクリスマスになったのである。




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