2014年4月6日日曜日

世界に広がる神の祝福*大草原の小さな家7*ローラ インガルス ワイルダー

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農場の少年*ローラ インガルス ワイルダー


7*農場の少年
後にローラの夫となったアルマンゾの少年時代の物語。
今から百年以上も前のニューヨーク州北部のマローン農場でのアルマンゾが9才の頃の話である。
アルマンゾには、兄のローヤルと姉のイライザ・ジェインとひとつ年上の姉アリサがいた。
アルマンゾは馬が大好きな少年だが、まだ小さいので馬には近づかせてもらえない。もし、子馬や調教前の若い馬をおどしたり、からかったりすると悪い癖がつき、そうなるとどんなに調教しても良い馬にはならないからだ。馬の調教は、アルマンゾの憧れだった。

アルマンゾは学校から帰って来ると、兄のローヤルと一緒に牛や羊の世話をした。古い干し草をどけて、新しい干し草を入れてやる。おとなしい雌牛の乳絞りもすることができた。
アルマンゾの父親は、快活な青い目をした大柄な人で、立派な農場を持ち信用もあつかった。母親は、小柄でふっくらした、茶色の髪をした青い目の女性だった。

アルマンゾの母さんは、いつもたくさんの料理を作ってくれた。そして、食卓のすべてに母さんが気を配るのが終わると、やっとアルマンゾはテーブルにつけるのだ。それから、父さんの食前の感謝の祈りが終わると、待ってましたとばかりにアルマンゾは、たっぷり食べた。塩漬け豚にベイクドビーンズ、じゃがいもにハム、バターを塗ったパンに煮込みカボチャ、それから、プラムのプリザーブ、ぶどうのジェリィにピクルス、最後にカボチャのパイ。アルマンゾは夢中になってたいらげたのだった。
夕食の後は、アルマンゾは自分の履いているモカシンという靴に、牛や羊のあぶらを塗りこみ手入れをする。こうすると、水がしみこまないのだ。
その後は、兄のローヤルが、ポップコーンを作り出す。はぜトウモロコシを鍋に入れ火にかけると、パンとはじけ、ポンポンと次々にはじけて行く。アリスがバターをかけ、塩をふりかけながらよくかき混ぜると、美味しいポップコーンの出来上がり。みんな欲しいだけ食べていいのだった。
アルマンゾは、片手にリンゴ、すぐ脇にポップコーン、足元にはサイダー(リンゴ液)を置き好きなだけ食べた。

時計が9時を打つと、寝る時間だ。
アルマンゾが次に目を開くと、ロウソクが鏡のついたタンスの上で灯っている。アルマンゾは服を着替えると、乳絞りの桶を両手に飛び出して行き朝の仕事をする。
アルマンゾが朝の仕事を終えると、朝食はもうほとんどできている。
アルマンゾが急いで顔を洗い、髪をとかしつけ、みんながテーブルに着くと、父さんが食前の祈りをささげる。
アルマンゾは、金色をしたそば粉入のホットケーキに、ソーセージを添えて食べ、バターとメイプルシロップをかけて食べた。濃いクリームとメイプルシュガーをかけたオートミールも食べた。薄く切って炒めたじゃがいもに、プリザーブにジャムに、ドーナツも食べた。でも、中でも一番アルマンゾが好きなのは、とろっとした煮汁がたっぷり入りポロっと皮がはがれるアップルパイだった。

日曜日
「まあたいへん!八時じゃないの!さあ急がなきゃ!」....日曜日には、母さんは、他のみんなもせきたてるのだった。....父さんは、教会行きの服に着かえに家に入った。....アルマンゾは、素敵な日曜日の晴れ着を着た母さんをとても誇らしく思った。....
父さんの馬は、ニューヨーク州で、もしかすると世界中で一番良い馬なのだ。マローンの町まで5マイル(8km)あるのだが、父さんは、礼拝が始まる30分前では、絶対に出発しないのだ。2頭の馬は、その5マイルをいつもだく足で走り、 父さんが厩に入れて 毛布をかけ教会の階段に足をかけると同時に 鐘が鳴るのだった。
みんな慎んで礼拝堂へと入って行った。.....
そのあとは、説教が終わるまでただじっと座っているだけなのだ。....
牧師さんの厳しゅくな顔と、ヒョコ、ヒョコ動いている あごひげから目を離してはいけないのだ。
アルマンゾは、父さんが自分も牧師さんを見ているなら、どうしてアルマンゾが脇見をするのがわかるのか、不思議でならなかった。でも、いつも父さんにはちゃんとわかってしまうのだ。<ローラ インガルス ワイルダー著*恩地三保子訳>

どうもやはり、小さい子どもはじっと座っているのが苦手である。アルマンゾも例にもれない。
しかし、大人になったアルマンゾは、<新大草原の小さな家シリーズ*ロジャーリーマグブライド著>の本の中でこう言っている。
「教会に行ったり、聖書の話を聞いている時は心が休まる」と。


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